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SS Summer Seaside!!(2)

2010.07.23 *Fri*
「うむむむむ……」

結構な人で込み合った海の家の前。私は掲げられたメニューと睨めっこをしていた。
カレー、焼きそば、ラーメンといった定番の品が並ぶ。どれもこれも魅力的だけど。

「マリナーラにするか、タコライスにするか、それが問題だ……」

後ろからはがやがやと人の声。あんまりメニューの前を独占しているのもいけないから、早く決めないと。それに結構時間も経ってるから心配させちゃうし。
でも、決定打がない。

「なぁ、ホントに声かけんのか?」
「当たり前だろ! 俺はこの夏にかけてるんだ! 今年こそ彼女を作るんだという熱い想いを胸に、今日ここに来たんだからな!」
「年がら年中そんなことばかり言ってるような気がするが?」 
「うっせ。お前みたいなギャルゲ―の主人公ばりにモテモテのヤツにはこの気持ちはわからんだろうよ」
「いや、別にモテてなんかねぇって」

う~ん、トマトな気分だからこの二つのどっちかにしようっていうのはすぐに決まったんだけど。マリナーラの方があっさりで、タコライスはがっつり、か。

「てか、今日一緒に来てるクラスメイトの三人の誰かじゃ駄目なのかよ」
「あの子達はみんなお前目当てだよ!」
「いやいや、そりゃないっしょ。被害妄想が過ぎるぞ?」
「……ったく、この鈍感野郎が。まぁそんなことはどうでもいい。とりあえず、あそこでメニューを見ながら唸ってる女の子から声をかけていくぞ」
「はぁ、やれやれ、何で俺まで」

よし、ここは視点を変えて味以外の要素を考えてみよう。まずは『どっちを食べてるあずにゃんが可愛いか』だね。

「ちょっといいかい、そこの可愛らしいお方(キリッ」
「キモいキャラだな……」

マリナーラを食べてるあずにゃん。あずにゃんは口の端にトマトソースがついちゃってるのに気がつかない。私がそれをぺろっと舐め取ってあげる。……いや、それもいいけど、逆に私がつけてあずにゃんに舐め取ってもらうってのはどうだろう。恥ずかしそうにしながら私の口を舐めてくれるあずにゃん。お、これはいいかも。

「あ、えー、えと、いい天気だね~。君、一人? 俺達と遊ばない?」

タコライスを食べてるあずにゃん。あずにゃんは辛めのタコライスを食べて、舌をちろっと出しながら「ひりひりします……」なんて言っちゃう。私はそれを見て、「じゃあ、口直ししてあげる」と素早くキス。そのまま舌を絡めて濃厚なディープキスを……。おぉ、こっちもこっちで捨てがたい。

「完全に無視されてんじゃん」
「うわ~ん、ちくしょ~!」
「わ、抱きつくなっ! ほんとに気持ち悪いから!」

う~ん、どっちのあずにゃんもいいなぁ。ていうか、もうあずにゃんなら何でもいいや。
じゃあ、次は『お値段』で。えっと、マリナーラが六百円で、タコライスが八百円。二百円差かぁ。結構この差は大きいよね。何てったって、うまい棒二十本分だ。
この夏はお金の出費も結構あるだろうから、可能な限り節約したいという思いもある。
あ、そうだ。おばあちゃんが言ってたっけ。「困ったときは人に訊きなさい」って。よし、誰かにアドバイスもらおう。
そう思って、後ろを振り返る。
そこでは金髪の男の人が真面目そうな男の人に抱きついていた。お、おお。この人達も同性愛者なのかな? だったら親近感沸くなぁ。

「あの!」
「は、はい、何でございましょうか」

ばっと、金髪の人が抱きつくのをやめて直立する。ああ、急に見られて恥ずかしかったんだね、きっと。

「すいません、マリナーラとタコライス、どっちがいいと思いますか?」
「へ? あ、タコライス……」

ほう、タコライスですか。なるほど、ディープな方ですね。
だけど。

「タコライスかぁ……、ちょっと高いんだよねぇ」
「あ、も、もしかしてお金ないの? 良かったら俺が奢ったげようか?」
「ほんと!?」

わぉ、何か知らないけど、いい人だ! 見知らぬ人に奢ってあげるだなんて。やっぱり同性が好きな人に悪い人はいないね! 何でガッツポーズしてるのかはわからないけど。

「ほんとほんと。よし、じゃあ早速買って、あっちで一緒に――」

と、そのとき。

「唯先輩っ!」

聞き間違えようのない、私の大好きな子の声が私の耳に届いた。声を方を向く。
そこにはすごい形相でこっちにダッシュしてくるあずにゃんの姿があった。どうしたんだろう、あんなに血相変えちゃって。
そして、

「死ねぇっ!」
「あべしっ」

あずにゃんのとびひざげりが金髪さんの顔面に炸裂した。吹っ飛んでいく金髪さん。わ、わぁ。そんな芸当できたんだね、あずにゃん……。
そのまま、あずにゃんは私の腕を掴むと思いっきり私を自らに引き寄せた。
がるるって声が聞こえてきそうなほど、その表情は恐い。ぎらりとした目付きで地面に伏した金髪さんを睨みつける。猫ちゃんというより、ライオンさんみたいだ。
次にその鋭い視線を真面目そうな方の人に向ける。
その人は両手を前にやって、首を振った。

「あ~、何か知らんけど、俺はそこで伸びてる馬鹿に付き合わされてただけなんだが」
「……そうですか。つまり、やましい気はなかったと」
「え、まぁ」
「何とも思わなかったと」
「だから、そうだって」
「こんなに可愛らしい唯を見て何とも思わないなんて、この無脊椎動物!」
「あるよ!? 脊椎あるよ!? いや、ていうか可愛い子だなぐらいは」
「やっぱりやましい気あったんじゃない死ねぇ!」
「理不尽過ぎ、ぐはぁ!」

今度はミドルキックがお腹に直撃。男の人はその場に膝からがくりと崩れ落ちた。あずにゃんの頭上に『K.O.』の文字が見えた気がした。
いきなりの出来事に呆然となっている私。えと、何が起こったの? ていうか、周りからの視線がすごくない?
そんな私の手をぐっと引いて、あずにゃんはすたすたと歩き始める。
とりあえず、私の口から洩れたのは、

「あの、あずにゃん、まだお昼買ってないんだけど……」
「そんなの、どうでもいいです!」

ど、どうでもいいって言われちゃった……。ああ、マリナーラ、タコライス……。
人ごみの中をちょっと強引に引っ張っていかれる。あずにゃん、一体どうしちゃったんだろう。

「ぷはっ」

ちょっと歩いて、ようやく人の少ないところに出た。ふぅ、これで一息つける。

「唯」

私の手を引いていたあずにゃんは、二人っきりモードの呼び名を口にしてから、くるっと振り返った。その顔を見るだけで、すぐにわかった。怒ってる。

「な、何、梓?」
「気をつけてって、言ったじゃない」

ん? 私、何か危ないことしたっけ。脳内が疑問符で溢れる。
すると、梓は「はぁ」っと溜め息を吐いてから両手を伸ばして私のほっぺたに添えて、

「えい」

横に引っ張った。

「ひゃっ、い、いひゃいいひゃい。ひゃにひゅるの~」
「唯、さっきナンパされてたでしょ」
「はい? 難破? ああ、今年の遭難ごっこは船が難破してっていうシチュエーションのつもりだったけど」
「その難破じゃない! ナ・ン・パ! 男の人が女の人を遊びに誘うナンパ!」

ああ、そのナンパかぁ。

「って、ええ!? 私、ナンパされてたの!?」
「もう、だから心配だったのに……。唯、可愛いから声かけられちゃうかもとは思ってたけど。はぁ、こういうときのために特訓しといてよかったよ」

はぇ~、あのとびひざげりやキックは特訓の成果だったのですか。

「かっこ良かったよ!」
「へへ~、そうでしょ……って、それはともかく。唯はもっと自分の可愛さに自覚を持って、ちゃんと自己防衛すること」

梓は、まったくも~と眉を八の字に寄せる。そんな梓を見ていると自然と笑みが零れた。

「……何で笑ってるの? もしかして、ナンパされて嬉しかった、とか……?」

梓が急に不安そうな表情になってしまったので、私は慌てて首を振る。

「違う違う。というか、ナンパじゃないと思うよ?」
「何で?」
「だって、あの二人、私が見たとき金髪さんがもう片方の人に抱きついてたもん。きっと私達と同じなんだよ」
「え、ほんと……? 男同士で?」
「うん。世の中意外といるもんだねぇ」
「そ、そうなんだ。だったら、悪い事しちゃった」
「まぁ、優しそうな人達だったから次会ったとき話せばわかってくれるよ~」
「だといいけど。え、じゃあ何で笑ったの?」
「いや、梓に妬いてもらうのはいい気分だな、と思って」
「む、むぅ。悪趣味だよ。……すごく心配したんだから。男の人といる唯を見たとき、心臓止まるかと思った」
「そっか、ごめんね」

私はそっと梓を抱きしめて、その頭を撫でる。梓も私に身を寄せてきた。人ごみは抜けたとはいえ、人がいないわけでもないこんなところで梓が甘えてくるなんて、それだけ私のことを心配してくれたんだね。
それを申し訳ないと思うと同時に、ちょっとぞくぞくしちゃってるのも確かだった。
心配させれば、梓は私のことしか考えられなくなる。梓を私一色にできる。
そりゃあ、私だって人間だから。こんなに私を想ってくれる子に対して、独占欲が沸かないわけがなかった。この子の中を私でいっぱいにしちゃいたい。

  ◇

「――と、思ってるわけですが、何かあずにゃんに心配してもらういいアイデアありませんか、りっちゃん、よっと」
「お前、意外と外道な、ほっ」

今は私とりっちゃんの二人でビーチバレーで遊んでいる。あずにゃん、澪ちゃん、ムギちゃんは今度こそお昼を買いに行った。
私も行こうと思ってたのに、あずにゃんに「ここで大人しくしててください!」と言われてしまったので仕方なく待機。

「それにしても唯がナンパされるとはなぁ。よいしょ」
「だから、ナンパじゃないって~。やぁ」
「いや、奢ってくれるって言ってたんだろ。っと。まぁ何でもいいや」
「まぁ、例えナンパだとしてもどうでもいいけどね。ほいっと」
「唯は梓一筋だもんな、てや」
「うわぁ、高いよ。それより、あの三人が行ったほうが余計に声かけられちゃうんじゃない? みんな可愛いし。えい、あ、変なとこいった~」
「私の運動神経舐めんなっと。ムギがいるから大丈夫だろ」
「おお、りっちゃんナイスキャッチ。ムギちゃん? とりゃ」
「正確にはムギのSP、だな。よし、スパイクだ、唯!」
「なるほど~、っていきなり!?」

私はぽんっと上げられたボールに向かって慌ててダッシュ。地面を蹴って、思いっきりジャンプ。昨日より高く、一昨日よりオクターブ高く!

「えいやっ」
「ぐはっ!」

あ、当たった。りっちゃんの顔に。

「大丈夫~?」
「いてて……。ちくしょう、たまに唯と憂ちゃんが姉妹だと痛感させられるな……」
「どういうこと?」
「才能を感じるってことだ」
「いや~、それほどでも~」

私とりっちゃんはそのまま仰向けに倒れ込む。日差しが眩しい。

「で、りっちゃん、何かいいアイデアない?」
「何が?」
「だから、あずにゃんを心配させる方法」
「ああ、そうだなぁ……」

しばしの沈黙。ざざぁという波の音、賑わう人の声が夏を感じさせてくれる。

「あ、じゃあさ――」

  ◇

私は砂浜に寝ころんでいた。やっぱり日差しは眩しくて、波の音は響く。
ただ、人の声はほとんど聞こえない。
ここは人が泳いでいる場所からかなり離れた浜辺。周りには人っ子一人いない。
どうして、こんな所に一人で寝転がっているのか。それはりっちゃんが提案した作戦のためだった。

「じゃあさ、溺れたフリするってのはどうよ?」
「溺れたフリ?」
「ああ、すっごい心配すると思うぜ」
「なるほど、人工呼吸と称してあずにゃんからちゅーしてもらえるし、いいね!」
「いや、そこまでは考えてなかったけど。って、マジでやんの? 割と冗談だったんだけど」
「やるやる!」

というわけで、りっちゃんに協力してもらって、『溺れたフリしてあずにゃんに心配してもらおう作戦』実行です。 溺れて気を失った私は少し離れたこの浜辺に打ち上げられたって設定です。居なくなった私を探すようりっちゃんがあずにゃんに言ってくれる手はず。
ああ、あずにゃんが私を心配して涙目になっている様子を想像するだけで、ご飯三杯は行けちゃうね! 早く来ないかな~。
可愛い梓の姿を妄想しながら、私は寝そべり続ける。

それから、十分ほど経っただろうか。

「え、あ、あれ、あそこに倒れてるの……。そ、そんな、唯!?」

耳に届く梓の声。お、来た来た。駆けよってくる気配を感じる。そして肩を揺さぶられた。

「唯!? しっかりして、唯!」

今度はぺちぺちと頬を叩かれる。まぁ、これぐらいなら耐えられる。

「いや、そんなのいや……っ」

悲痛な叫びが私の鼓膜を震わせる。きっと瞳には綺麗な涙を浮かべていることだろう。ヤバいな、可哀そうという気持ちよりも可愛いという気持ちが勝ってしまっている。
今の梓には私しか映っていない。私のことしか考えていない。本当は今すぐ起きあがってそんな可愛い梓を抱きしめたかったけど、まだもうちょっとだけ我慢我慢。

「そ、そうだ。こういうときは」

くっと、顎に手を添えられる。お、やった~。期待通りの展開だ。このまま人口呼吸してもらってから種明しといこうかな。
なんてことを悠長に思っていたのが間違いだった。

「気道の確保、よし。じゃあ」

梓が私の胸、心臓の位置に手をやった。あ、あれ、これってもしかして――

「えいっ!」
「うぎゃっ!!」

やっぱり~!! 

梓がやったのは人口呼吸じゃなくて、心臓マッサージだった。マズいよ! 肋骨が折れて、本当に救急車ものになっちゃう!
蛙が潰れたような音を洩らした私を見て、梓はすぐに手を止めた。

「……」
「……」
「……えい」
「ぎゃにっ」
「……」
「……」
「……えい」
「あぁん」

ちょ、梓、おへそは駄目。おへそは弱いの。知ってるでしょ。あ、知ってるからやったのか。

「唯」
「……」
「起きなさい、唯」
「……はい」

その声の剣幕に負けて、私はしぶしぶ瞼を開く。そこには目を真っ赤に腫らした梓の姿があった。

「どういうこと?」
「そ、その、ですね」
「何で、こんなことしたの?」
「えっと、ちょっとした悪戯で……」

ぱしんっ。
乾いた音が鳴って、頬に鋭い衝撃が走った。梓に平手打ちを受けた音だった。少しだけ遅れて、じんわりと痛みがやってくる。

「いつも、いつも……」
「あ、梓」
「どうして、いっつも唯は心配ばっかりかけさせるの! 将来のことは何にも考えてないし! 男の人に声かけられても自分のこと守ろうとしないし! あげくの果てにこんな悪ふざけ!」

ぼろぼろと、大粒の涙をその双眸から零しながら梓は言う。
ああ。何やってんだ、私。
梓に私のことだけ考えてほしくて、構ってほしくて。でもだからって無理矢理心配させようだなんて、間違ってた。どうかしてた。
そんなことしなくても、梓はこんなにも私のことを考えてくれてるのに。

「ごめん……」
「ごめんは聞き飽きたよ」
「そう、だね。……こんな馬鹿なことする私のことなんて、嫌いになった?」

私は梓の瞳を見据えて、訊く。もし、嫌われちゃったなら、嫌になったなら、もう一緒にはいられない。嫌われても、嫌に思われてもおかしくないほど、今まで私は梓に甘えていた。
梓もじっと私を見つめ返す。そして、すっと瞼を閉じた。溢れた涙が一本の線をその頬に引く。

「ズルいよ」
「え?」
「唯は、ズルい。嫌いになんてなれるわけないでしょ。大好きなのに。愛してるのに」

梓はぎゅっと私に抱きついてきた。

「大好きだから、心配するの。愛してるから、不安になるの。唯が誰かに取られちゃうんじゃないかって。どこかに行ってしまうんじゃないかって」

梓の体が震える。そんな梓の様子を見て、私はさらなる後悔の念に苛まれる。
私が悲しませてしまったんだ。これだけ自分を愛してくれている人を、私は傷つけた。
私はぎゅっと強く梓を抱きしめ返す。
大好きな、愛する人を傷つけてしまった自分があまりにも情けなくて、涙が出てくる。

「ごめんなさい。本当に、ごめんなさい」
「……うん、私もぶったりしてごめんなさい。無事でよかった」
「うっ、っく、ごめんね。ひっく、ごめんなさい」
「もう、謝らなくていいよ」

それから私は梓に抱きついたまま泣いた。梓はその間、あやすように私の頭を撫で続けてくれた。

  ◇

「……私を心配させたかった?」
「うん……」

ひとしきり泣いた後、私と梓はみんなの所へ戻るため浜辺を歩く。しっかりと手を握り合って、離さないように。

「心配してくれる間は、梓は私のこと考えてくれてるでしょ? だから、梓に心配してほしいなって」
「そんなことしなくても、私はいつも唯のこと心配してるよ」

そのセリフに私は苦笑いを返すことしかできない。

「うん、本当にいつもごめん」
「……もう、この話題はおしまい! ほら、皆さんが見えてきましたよ、『唯先輩』」
 
そう言って、指差した先にはシート上で正座しているりっちゃんと、その前に仁王立ちする澪ちゃんとムギちゃん。

「うわぁ、どう見ても怒ってる……」
「当たり前でしょ。澪先輩もムギ先輩もものすごく心配してたんですから。ムギ先輩なんて携帯を取り出して辺りのSPをみんな捜索に派遣しようとしてましたよ。律先輩が必死に止めてましたけど」

それは一歩間違えば大事になるところだった……。

「あ~あ、私も怒られるなぁ」
「ええ、しっかりと怒られて下さい」

はぁ、でも私が悪いんだし、仕方ないよね。後でりっちゃんにも謝らなきゃ。完全にとばっちりだもん。

「さぁ、行きますか」
「ちょっと待って、『梓』」

私は前に進もうとするその手を引っ張って、梓の体を引き寄せる。一つ、思いついたことがある。自分なりの梓への責任の取り方。

「な、何?」
「あのね、今日は本当に心配かけちゃってごめん。ううん、今日だけじゃなくて今までも、できる限りそうならないようには気をつけるけど、多分これからも」
「もう、わかってるよ。だから、その話はおしまいに」
「えっとさ。今日の夜、私の家に来ない?」
「え?」

私は梓の耳元に口を近づける。

「心配かけて、迷惑かけてばっかりだから、そのお返しというか、お礼がしたいんだけど」
「う、あ、それって……」
「私に梓を愛させて?」

ぼんっという音が聞こえた気がした。その顔は湯気が出そうなほど、真っ赤っかだ。

「……駄目、かな」
「……ううぅ。……駄目、じゃないけど」
「そっか。よかった」

それから私が一歩前に立って歩き始める。

「行こっか、『あずにゃん』」
「もう、ほんとにズルいんだから……」

確かに私はズルいかも。結局、梓のためではなくて自分がしたいからするだけなんじゃないかと言われても否定はできない。
でも、その行為は確かに私が梓を愛しているという何よりの証明になる。梓から与えてもらっている愛へのお返しにはなると思う。
だから、今夜精一杯、梓を愛そう。
そして、その心配や不安を少しでも小さくしてあげよう。
そう胸に決意を込めて、私は澪ちゃんとムギちゃんに怒られるべく歩みを進めた。




前回のネタ募集に反応してくださった方々、本当にありがとうございました!
すごく参考になりましたっ。必ずどこかで使わさせて頂きたいと思います。
アニメ感想は忙しいので割愛。また後で書きます。

あ、ちなみにあずにゃんぺろぺろとか巷で言われてますが、あずにゃんをぺろぺろしていいのは唯だけだ!
と言いたいことを言ってみるw

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COMMENT

No title
こんばんはw2回目ですw
いや…何かいいですねぇ…甘々って。
みてたらニヤけてしまいますねw自動的にw
いつもいつもお疲れ様です。
ではっ!
2010/07/24(土) 22:25:58 | URL | 新 #- [Edit
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/07/28(水) 02:40:43 | | - # [Edit

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松中 竜馬

Author:松中 竜馬
百合が大好きなしがない人間。
唯梓は至高。
趣味はスポーツ観戦・麻雀・小説書き。

ブログの内容は二次創作百合小説が中心となります。
なので、こう言うのも何ですが、そういうのが苦手な方は見ないことをおすすめします。

ジャンルはけいおん!がメイン 
カップリングは唯梓

感想、ネタ振り、唯梓への想い等、コメントを頂けると非常に嬉しいです。百合好きな方、唯梓好きな方は色々と語り合いましょう!

当ブログは、リンクフリーとさせていただきます。
コメント、拍手等でご報告いただければ、相互リンクさせていただきたいと思います。



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