--.--.-- *--*
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SS お食事の時間

2010.06.02 *Wed*
※唯梓
※九話ネタ込み
※ギャグテイスト
※梓視点



『お食事の時間』

「あずにゃ~ん、ここわかんないんだけど」
「え、ああ。そこはですね……」

今、私は唯先輩の部屋に居る。
何でかって? 
いやいや、それは愚問というものですよ。

彼女の家に行くのに、特別な理由なんて必要ないでしょ? ただ一緒に居たいってだけです。

私達はちゃんと恋人同士としてお付き合いさせてもらっています。私も唯先輩も女の子だけど、そんなのは気にしたら駄目です。ていうか、うるさく言ってくるような、人の恋路を邪魔する馬鹿者は馬に蹴られて死にやがれです。
唯先輩とギターの練習をしながら、こうやってまったりと過ごす時間。何物にも代えがたい、至福の一時。
ああ、今日も唯先輩は可愛いなぁ。一生懸命ギターを弾いている姿なんか、ほんと食べちゃいたいくらい。
いや、この後食べちゃうんですけどね。うへへ。

「……どしたの? いきなりにやにやしだして」
「へ? に、にやにやなんてしてませんよ!」

危ない危ない。思わず考えが顔に出てしまっていたようだ。いや、でもですよ。最近、唯先輩と二人きりで過ごす時間が多い割に、演芸大会の練習だとか期末試験の勉強だとかで全然にゃんにゃんできてないんですよっ! にゃんにゃんしたいんです!
だから、そんな考えに至ってしまうのも、我ながら無理ないと思います。
ああ、今日はどんな可愛い唯先輩が見られるかなぁ……。
きっと唯先輩も溜まってるだろうから、いつもより激しくヤッちゃってもいいかな、いや、だからこそあえて焦らすという手も、あり。
もしくはいっそ、無理矢理なぐらい強引に――

「ハァ……ハァ……」
「あずにゃん、目、怖いよ……」

仕方ないですよ。うん、仕方がない。唯先輩が可愛い過ぎるのがいけないんです。恨むなら、自らのキュートさを恨んでください。
さぁ、気分はまさしくルパン三世。「ふっじこちゃ~ん」よろしく「ゆっいせんぱ~い」ってな感じにその柔らかな体目掛けて一気にダイブ――

「あ、そうそう。私達のユニット名のことなんだけどね」

しようとして、唯先輩が話しかけてきたので寸でのところで私は踏みとどまった。

「ムギちゃんに、『それじゃあユニット名というよりカップリング名ね』って言われたんだけど、どういうこと?」

……っち。やはりムギ先輩、私の意図に気がついていたか。私達の関係を暗に示すためにあえて『ゆいあず』なんてユニット名を提案したのだけど。
純真無垢な唯先輩はそんなことも露知らずにオッケーしてくれたんだから、余計なことを教えないでほしい。

「さ、さぁ、どういう意味でしょうね」

適当にはぐらかす。まぁいい。正直そんなことはどうでもいい。
今の私に重要なのは、唯先輩をおいしくいただくことなのだ。よし、気を取り直して、今度こそ。
恥ずかしいけど、ちょっぴりしなを作って唯先輩をじっと見る。

「……ねぇ、あずにゃん」

あ、私の視線の意味に気づいてくれたかな。もう、さっさと気づいて下さいよ。それで、おいしくいただかれちゃって下さいよ。
では、ありがたく、

「演芸大会の時に思ったんだけどね、あずにゃんってツインテール以外でも似合うよね! ちょっといじらせて!」

ズコー。
なぜ今それを言い出すんですか!? なぜ、このタイミングで!?
大体、いきなり髪をいじらせてくれってなんですか! ぐちゃぐちゃにされたくありませんし、そんなのお断りに決まって――

「あずにゃ~ん」(きらきらした眼差し)
「はぁ、仕方ないですねぇ」

意思弱っ! 私、意思弱っ!

それからしばらく唯先輩に髪をいじって遊ばれた。
前にやったポニーテールや、それをちょっと変えたサイドポニー、唯先輩がしていたみたいなお団子ヘアーなどなど。
七変化を見せる私の髪型にいちいち「可愛い~!」と反応して、唯先輩は抱きついてくる。
あたたかな体温を、ふんわりした匂いをダイレクトに感じて、どうにかなってしまいそうだ。どんどん私の中の熱が膨らんでいく。
でも、唯先輩にはそのつもりがないようで。
ううぅ、何の焦らしプレイですか……。

「ね、ねぇ、ゆいせんぱ――」
「そうだ、あずにゃんにまだテストの結果見せてなかった! ちょっと待ってね」

へ、へ? テストの結果? ああ、そういえばそんなものもあったなぁ。私は可もなく不可もなくだったけど。
唯先輩は鞄を取りにリビングへと降りていく。
はぁ、もう唯先輩の馬鹿。人の気も知らないで……。
もしかして、私ががっついてるだけなのかなぁ……。
どうなんだろう、そのへんの話をまた律先輩から訊いてみようかな。澪先輩とどんな感じなのかって。
もし、いちゃいちゃしたいのが私だけだったらどうしよう。
あんまりべたべたくっついたりすると嫌われちゃうかな。
そんな感じに私が悶々としていると、唯先輩が部屋に戻ってきた。その手にはクリアファイルと、飲み物。

「はい、これ。憂がジュース淹れてくれたよ」
「ありがとうございます」

私はそのオレンジジュースに口をつける。爽やかなのど越しが、火照ってしまった体に心地良い。
唯先輩はクリアファイルから五枚の用紙を取り出すと「じゃーんっ!」という掛け声と共にそれを私の眼前に突きつけてきた。
私はそれを受けとって、その点数欄を確認する。

「えっと……って、89、90、85、93、82!? すごいじゃないですか!」
「えへへ~」

私は唖然とした。
いや、唯先輩がやればできる人だというのは知っていたけど、まさかこれほどとは……。
目の前でにこにこと笑っている唯先輩の顔をまじまじと見つめる。
……そっか、そうだよね。唯先輩は頑張ったんだもの。
勉強だけじゃなくて、演芸大会の練習も、ずっと頑張ってた。
演芸大会の方は残念ながら結果はついてこなかったけど、おばあちゃんはすごく喜んでくれたみたいだし。
どっちも頑張って、ちゃんと報われた。そのことが、まるで私自身のことのようにすごく嬉しい。
よかったですね、唯先輩。彼女としても、誇らしいです。

「頑張りましたね、唯先輩」

だから、私は満面の笑みでそう答えた、のだけど。

いきなり、くっと、顎に手を添えられた。

「……え?」

何が起こっているのか、一瞬理解できなくて。
でも。
目の前の唯先輩の表情を見て、私は次の一瞬には全てを理解していた。

「うん、私頑張ったんだよ。だから、ご褒美があってもいいよね?」

その瞳は妖しく濡れていて、その視線は私の体を愛撫するように舐めまわす。
なんだ。
唯先輩も、その気なんじゃないか。私は嬉しくなって、唯先輩の頬に手を添えようとして――

上手く体が動かないことに気がついた。

……はい? え、何これ。手とか足とか、何か痺れてるんですけど。
唯先輩の口元が吊り上る。
多分私の前でしかしない、小悪魔的な表情。

「痺れ薬、利いてきた? ジュースに入れておいたんだけど。憂も粋なもの用意してくれるね~」

痺れ薬!? 何盛ってるんですか!?
しかも、憂か! 犯人は憂なのか!
ちくしょう。すごくいい笑みで「はい、お姉ちゃん。これ、梓ちゃんに飲ませてあげるといいよ」なんて言ってるところが容易に想像できる……。
てか、痺れ薬なんてどうやって手に入れたんだ! 怖いよ!

「それに、あずにゃんももう我慢できないでしょ? さっきからずっとシたそうだったもんね」

バレてる、だと……。もしかして、あれか。私が唯先輩を攻めようと思っているのは向こうもわかった上で、私を焦らしてたのか。
しかも、薬を盛ってこっちの動きを封じて。
なんということだ。唯先輩は全部お見通しだったんだ。
食べちゃうつもりだったのに、気がつけば私は食べられちゃいそうになっていた。
唯先輩がゆっくりと迫ってくる。私はもう、蛇に睨まれたカエルの気持ちだ。いや、気持ちどころか、実際まともに体動かないんだけど。
ていうか、何か熱くなってきた……。

「あ、その薬、媚薬効果もあるんだって」
「っ!?」

どれだけ都合いい薬なんですか! そして、本当に憂は何でそんなもの持ってたの!?

「どんな可愛いあずにゃんが見られるのかなぁ。ふふ、楽しみ」

ああ、もう駄目だ。もう私には為す術なし、だ。精々、事が終わった後にお小言を言う程度の抵抗しかできそうにない。
まぁいっか。こんな可愛い蛇になら喜んで食べられようかな……。

「今日はいっぱいいっぱい可愛がってあげるからね?」 

唯先輩の可愛らしい唇が、私のそれを捕えた。

『食事』の時間の始まりだ。

……なんだか、唯先輩と私の上下関係がはっきりしてしまった気がする。
そんなことを思った、ある一日のことでした。




本当に九話最高でした! 京アニ様、吉田監督様、ありがとうございますっ!
スポンサーサイト

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 


TRACKBACK

TrackBack List



05
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31

時計



最新記事



プロフィール

松中 竜馬

Author:松中 竜馬
百合が大好きなしがない人間。
唯梓は至高。
趣味はスポーツ観戦・麻雀・小説書き。

ブログの内容は二次創作百合小説が中心となります。
なので、こう言うのも何ですが、そういうのが苦手な方は見ないことをおすすめします。

ジャンルはけいおん!がメイン 
カップリングは唯梓

感想、ネタ振り、唯梓への想い等、コメントを頂けると非常に嬉しいです。百合好きな方、唯梓好きな方は色々と語り合いましょう!

当ブログは、リンクフリーとさせていただきます。
コメント、拍手等でご報告いただければ、相互リンクさせていただきたいと思います。



カテゴリ

openclose



カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -



月別アーカイブ



リンク



検索フォーム



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



Copyright © 青春桜花 All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ  ・・・  素材: chaton noir  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。