一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「あ……」
でも、すぐに気付いた。自分がとてつもなく横暴な、身勝手なことを言っていることに。体の内から湧き上がった暗い感情に、そう、嫉妬に身を任せてしまっていたことに。
冷や水を浴びせかけられたかのように、私の頭は急激に冷えていく。
自然と足が2、3歩後ろずさっていく。
「すいませんでした……」
私が発した謝罪の呟きの後に訪れる、静寂。
やってしまった。唇をぎりっと噛む。口の中にわずかばかり血の味が滲む。
わかってたじゃないか、自分の性格は。だからこそ、今までコントロールしてきたのに。
今更になって、昨日から自分が浮かれ過ぎていたことに気づく。唯先輩に気持ちを伝えることで精一杯になって、臆病な自分と決別することばっかり考えていた。
それがこんな結果を生むだなんて、思いしなかった。
私はくるりと踵を返すと、唯先輩から遠ざかる。
こんな私じゃ、駄目だ。こんな私には、唯先輩に気持ちを伝える資格なんてない。私が許せない。
難しい、と思う。
想いを伝えることは難しい。
ただ言葉にして、伝えるだけではいけないんだ。それは最低の前提条件であって、その上で、相手のことを考えなきゃいけない。想ってあげなくてはいけない。
それが、好きな相手ならなおさらだ。
唯先輩はそのチョコレートを誰からもらったか言いたくないというんだ。その理由はわからない。でも、そう言うのなら仕方がない。
何であんなにも泣きそうな顔だったのかは、わからない。でも、言ってくれないのなら仕方がない。
唯先輩に言う義務があるわけじゃない。唯先輩は言う必要はない。
唯先輩にとって、私は特別でも何でもないのだから。
「待って、あずにゃん!」
ああ、そう思いはしても。
私はその声に反応して、立ち止る。
諦めようと思っても、でも、こうやって呼びとめてもらえることを嬉しいと思った。
「あずにゃんは勘違いしてるよ」
「勘違い、ですか?」
口の端から零れた声は情けないほど弱弱しくて、嫌になる。
でも、それより唯先輩の言葉が気になった。
勘違い、とはどういうことだろう。私は、何かを勘違いしているというのか。
「このチョコは、人からもらったんじゃないよ。本当に自分で作ったの」
「だ、だから――」
それは嘘でしょう、と続けようとする。それぐらいは、わかる。唯先輩の嘘を見抜くのはそんなに難しいことではない。
でも、唯先輩は真剣な表情で、私を見つめてきた。
そして、言う。
「うん、自分に、ってのは嘘」
夕焼けに染まった教室は静寂に包まれている。この時間なら聞こえてきそうな、吹奏楽部や合唱部の音も聞こえてこない。
まるで、私と目の前の人のためだけに用意されたかのような空間。私は一つ息を吸ってから、言葉を待った。
「このチョコはね、私があずにゃんのために作ったの」
「……え?」
多分、そのとき私はすごく間抜けな顔をしていたと思う。でも仕方がないじゃないか。唯先輩が何を言ってるのか、わからなかったんだから。
「昨日一日かけてね、憂に教えてもらいながら作ったんだ。あずにゃんに私の作ったチョコを食べてほしかったから」
唯先輩の言葉を、頭の中で反芻する。
あずにゃんのため。
昨日一日。
憂に教えてもらって。
チョコを食べてほしい。
あずにゃんに。
あずにゃんのため。
断片的な言葉しか情報として脳に入らない。それでも、唯先輩の言葉をしっかりと理解するのに、そう時間かからなかった。
唯先輩は、私にチョコを作ってきてくれたらしい。
頬が熱をもつのを感じる。そんな、まさか、唯先輩が――。
いや、待てよ。
私はぶんぶんと頭を振る。浮かれるのは早い。
もしそのチョコが私に作ってくれたものだとして、唯先輩の行動に腑に落ちない点がある。私は、ぴっと人差し指で唯先輩が持つチョコレートを差した。
「じゃ、じゃ、じゃあ、何で、その、わ、私にくれるっていうそのチョコを自分で食べちゃってるんですか! おかしいでしょう!」
そうだ。
唯先輩はそのチョコレートを食べてしまっているのだ。その理由がわからない。
いや、別の唯先輩がまた嘘を吐いている思っているわけではない。さっきも言ったが、唯先輩の嘘はわかり易い。それは裏を返すと、本当のことを言っているというときもわかり易いということ。
もちろん、唯先輩の言動全部を嘘が真か見抜けると言い切れるほど自惚れちゃいないが、それでもある程度ならわかるのだ。どれだけ私が唯先輩のことを見てきたと思っているのだ。
そして、さっきの真剣な眼差しで、表情で、この人は嘘を吐くことなんてできないことを、私は知っている。
でも、じゃあ、何で?
唯先輩は短く息を吐く。
「ちょっとヤケになっちゃたから」
「ヤケ?」
不思議に思って私は訊ね返す。
「うん。あずにゃんが本命チョコをもらったって聞いて、ね。だって、あずにゃん、すっごい嬉しそうだったんだもん」
あっと声をあげそうになった。だって、そう言ったときの唯先輩の表情が、さっき音楽室で見せた暗い表情と全く一緒だったからだ。
「しかもその後、付き合うのをどう思うか、なんて聞いてくるからさ。全然私の知らない人とあずにゃんが楽しそうにしてるのを想像しちゃったんだ」
だから、音楽室を飛び出した。その想像が、あまりにも唯先輩の心を動揺させたから。
え、えーっと。
「それって、つまり」
「嫉妬してたの。それで、そんな自分が嫌で、こんな自分じゃあずにゃんにチョコは渡せないって思って、ヤケになっちゃった」
何というか、愕然とした。
嫉妬。ジェラシー。何と唯先輩と無縁そうな言葉か。
でも、唯先輩ははっきりとそう口にした。私が他の人からチョコをもらったと、告白されたと、誰かと付き合うかもと聞いて嫉妬したと。
ああ、どうしよう。
すごく嬉しい。
気がつくと、私は唯先輩との距離を自ら零にしていた。温かい体を自分から抱きしめに行く。私の方から抱きつくのなんて、初めてかもしれない。
「あ、あずにゃん?」
困惑気味の声を唯先輩があげる。
全く、困惑させられるのはこっちの方ですよ。
まだちょっと信じられない。唯先輩が嫉妬だなんて。しかも、その上唯先輩の取った行動の何とおもしろおかしいことか。「ふ、ふふ」という笑みが勝手に零れる。
「ど、どしたの」
「だって、嫉妬してヤケになって、それで渡そうとしてたチョコ食べちゃうなんて」
「む~、どうせ変な子ですよ」
唯先輩は拗ねた口調でそう言った。そんな表情も、可愛らしい。ああ、どうしてこの人はこんなにも私の心を持っていってしまうのか。
「確かに変ですけど、でもかわいいですよ」
間違いなく、今の私の顔は真っ赤だ。面と向かって「可愛いです」だなんて私のキャラじゃない。夕焼けに染まって上手く誤魔化せてないかな、なんて思ったけど、どうやらそれは無理そうだ。
なぜなら唯先輩の顔だって、夕焼けに染まってもはっきりわかるほど朱色だったから。
お互い顔を赤らめたまま向き合っているのがすごく恥ずかしくなって、私はもう一度唯先輩の肩に顔を埋める。
甘い匂いがした。
「嬉しいです」
「な、何が?」
「嫉妬、してくれたことですよ」
それはつまり、私が他の人に取られたら嫌だってことですよね? 私、自惚れちゃってもいいんですよね?
唯先輩はすぐには答えない。
ちょっとの間があって、意を決したように唯先輩は言葉を発したのだけど。
それがまた、核爆弾級の威力だった。
「なんで? だって、私、下心いっぱいなんだよ? 独り占めしたいんだよ? 嫌われてもおかしくないくらい、あずにゃんの全部がほしいんだよ?」
「………」
ああ、今の私の心情をどう表現したものだろう。
メープルシロップと生クリームをたっぷり塗りたくったミルクチョコレートを食べた気分、とでも言えばいいのか。
唯先輩、あなたは一体私をどうしたいんですか。
「せんぱぁい、それ、言ってて恥ずかしくないですか……。私、すごい恥ずかしいんですけど」
私は唯先輩からすっと離れて、その顔を見る。ああ、やっぱり至近距離は恥ずかしい。その赤い頬とか、潤んだ瞳とか、柔らかそうな唇とかを意識してしまって、どうにかなりそうだ。
でも、私は唯先輩に伝えなきゃいけないことがある。
「私だって、嫉妬したんですからね」
「な、何が?」
「その先輩が手に持ってるチョコレート、誰かが先輩にあげたものだって思ったときですよ」
「へ?」
「それを口にしている唯先輩を見て、そのチョコを渡した人のことを考えながら食べてるんだと思ったら、いてもたってもいられなくて。思わず、キツい口調になっちゃったんです」
私はそう言うと、一端顔を伏せた。
これから先のことは、本当はちょっと言いたくない。
でも、唯先輩は自らの嫉妬心を曝け出してくれたんだ。私も、応えなきゃいけない。
「……きっと先輩の比にならないくらいですよ、私の下心。だって、他の先輩たちと仲良くしてる唯先輩を見たって嫉妬しちゃうぐらいですもん。でも、私はそれでいいと思ってます。下心はあって当然なものなんですよ。だって――」
だって。
そこで言葉を区切ると、私はゆっくりと顔を上げた。
「だって、下心も『心』ですから」
律先輩と唯先輩が漫才コンビのようなやり取りしているのを見ると、すごく面白くない。
澪先輩に唯先輩がちょっかい出しているのを見ると、私に構って欲しいと思う。
ムギ先輩と唯先輩が楽しそうにお喋りしたり抱き付き合ったりしているのを見ると、何だか唯先輩を取られたような気分になる。
律先輩も澪先輩もムギ先輩も、大事な大事な先輩で、仲間なのに。
どうしたって、嫉妬や下心は醜いし、好ましい感情ではない。下心も心、だなんてのはただの自己正当化だ。
それでも、一理あると思う。
唯先輩を独り占めしたいって気持ちも、全部自分のものにしたいって気持ちも、私の心。私の想い。チョコレートに込めた、届けたい私の想いの一部であることに変わりはない。
「まぁ、ある漫画の受け売りなんですけどね」
読んだときに結構衝撃を受けたから、よく覚えている。
「素敵な漫画だね」
私は、彼女を見て笑う。彼女も、えへへ、と笑い返してくれた。
さぁ、私。
やらなきゃいけないことはわかってるよね? まさか、唯先輩が嫉妬してくれたってだけで満足なんか、してないよね?
伝えよう。届けよう。
私の想いを込めたチョコレートを。私の想いを込めた、言葉を。
目の前で唯先輩がまたもや百面相を始める。大方、私のさっきの発言の意味を考えているんだろう。
今、答えを出しますから。
私は制服のポケットからチョコレートを取り出した。
かわいらしい、ハート柄の模様が散りばめられた青い袋。いくつか用意したうち、今日のラッキーカラーを見てから選んだものだ。
私は、それを両手ですっと差し出した。
「チョコレート、受け取ってください、唯先輩」
唯先輩はどこか呆然とした面持ちで、それを受け取った。私はそれを見て、笑って、言って、届けた。
「好きです」
唯先輩に対する私の感情は、もう数えきれないほどたくさんたくさんあるけど。
『好き』。
結局、全部この一言に集約されてしまうんだ。
唯先輩は、はっと我に返ったような表情をしてから、一気に捲し立てる。
「あ、あずにゃん、本命チョコもらったって!」
「もらっただけじゃないですか」
「でも、嬉しそうだったし!」
「好意を持って頂けるってのは、そりゃ嬉しいですよ」
「その後、付き合ったらどう思うかって!」
「唯先輩が、女の子同士の恋愛についてどう思ってるか聞いてみたくて。どのみちもうお断りしましたし」
その言葉の一つ一つに、私も素直に答える。嘘を交える気も、はぐらかす気もない。
言葉が出なくなったようで、唯先輩は金魚みたいに口をぱくぱくさせる。だけど、首をふるふると振ってから、その瞳で私をまっすぐ捉えた。
「あずにゃん!」
「は、はい」
いきなり大声を上げるもんだから、びくっと肩が跳ねた。
「私も、私はあずにゃんのことが、大好き! これ、受け取ってください!」
唯先輩の言葉を聞いて、差しだされた、さっきかた唯先輩が手に持っていたチョコレートを見て、私は笑う。
届きましたよ。伝わりましたよ。言葉に、チョコに乗った、想い。
「……はい」
私がチョコを受け取ると、唯先輩も満面の笑みを浮かべる。
ああ、やっぱりこの笑顔は独り占めしてたい。私が本当に大好きな、彼女の笑顔。
「半分しかないですね」
「うぐ、ご、ごめん。食べちゃったから……」
もらったチョコを見て、ちょっとした悪戯心が芽生えた。
せっかく唯先輩が私のために作ってくれたのに、半分食べちゃうなんて。全く、酷い人ですよ、唯先輩は。だらしなく口元にチョコレートつけてるし。
お仕置きが必要ですね。
「じゃあ、半分の代償として、これ、もらっちゃいますね」
「え? これって?」
何を言ってるの? と首を傾げる唯先輩を前に、私はくっとつま先だちになる。6センチの私達の差はそれだけで埋まって。
私は唯先輩の口元をぺろりと舐めた。
……甘い。普段食べるチョコレートとは比べ物にならないほど、甘い。
「~~~~~っ!!!」
「ん、甘いですね」
「あ、あ、あずにゃん、何をいきなり……っ!」
「だって、唯先輩、ずっとそこにチョコレートつけてましたよ。せっかくだから、頂こうかと」
私は意地悪な笑みを浮かべてやる。こんなことするなんて自分らしくないような気もしたけど、でも、今くらい素直になりたい。
「な、何で言ってくれなかったの、あずにゃん!」
唯先輩は頭を抱えて、うな垂れる。今までのやり取り中ずっと付けたままだったという事実に打ちひしがれているようだった。
「いや、言うタイミングなかったですし。それに、唯先輩らしくてかわいかったですから」
「う、うぐ」
あ、何だか、珍しく主導権を握れてる。でも、いつもドギマギさせられっぱなしなんだし、こういう時くらいいいよね。
と思っていたら、肩をぐっと掴まれて、抱き寄せられる。
「ファーストキスぐらい、もっとちゃんと心の準備をしてからさせて欲しかったよ」
「え、今のってキスにカウントしますか? 舐めただけでですよ?」
「……じゃあ、しないことにする。だから、あずにゃん」
私は、唯先輩を見つめる。唯先輩もしっかりと私を見つめ返してくる。今は、お互いの全部がお互いに向き合っている。
それが、とっても嬉しい。
「先輩。ずっと一緒にいてください」
「こちらこそ、お願いします」
「多分、すっごい嫉妬とか、わがままだとかしちゃうと思います」
「うん、それもお互い様だよ」
「大好きです、唯先輩」
「大好きだよ、あずにゃん」
黄昏の教室、長く伸びた影が一つに重なった。
◇
「というわけで、去年のバレンタインデイをきっかけに私と唯先輩は恋人同士になったんだ~って、純? 聞いてる? おーい」
『……ま、まさか友人のラブストーリーを延々と聞かされるハメになるとは思わなかった』
「だって純が訊いてきたんじゃない。『唯先輩との馴れ初めを教えてよ~』って」
『もっと手短に終わると』
「私と唯先輩のお話が、そんな一言二言で表せられるようなものだと思ったら大間違いだからねっ!」
『……ほんと、梓、キャラ変わったね。唯先輩に影響され過ぎ』
「う~ん、そうかな? まぁ、受験終わってから毎日会ってるし」
『はいはい。ごちそうさま』
「ところで、純はどうなの?」
『どうなのって何が?』
「またまた~。憂のこと好きなんでしょ?」
『っ……、は、はぁ!? な、何、言ってんのかナー? ま、全く、自分達がそうだからって、だ、誰もかもが女の子好きだと思わないでよネー』
「とか言う割に、ずいぶん動揺しているご様子ですが」
『べ、別に? そんなことないし?』
「ふ~ん……。あ、そう言えば、憂、明日のバレンタインデイ、和先輩からデートに誘われちゃった、とか言ってたような」
『な、何ですとっ!?』
「去年も憂、和先輩には私達とは別にチョコレートあげてたみたいだし、結構いい感じなのかも」
『う、うぐぐ。そんな、まさか』
「ほらほら、純、いいのかなぁ? 和先輩に憂、取られちゃうよー?」
『ううぅ、ああ、もう! 人を煽って遊ばないで!』
「遊んでるつもりはないけど……。でも、そういう嫉妬が大事なんだよ? 自分に素直になるきっかけをくれる、大事な感情だと思う」
『……はぁ。ほんと、梓、変わったよ』
「そう?」
『うん、何と言うか、大人になったというか、言うセリフに重みがあるね』
「まぁ体験談だから。純が後悔するようなことになってほしくないし」
『そっか。……うん。簡単には素直になれないと思うけど、でも頑張ってみる』
「ふふ、やっぱ好きだったんじゃん」
『う、うっさい!』
そんな会話を繰り広げた後、私は携帯の通話終了ボタンを押した。
ワンルーム、1DKの部屋で、ふぅっと息を洩らす。あのバレンタインからもう一年が経つんだなぁ、と思うと何だか感慨深い。
突然、私の背中を温かい体温が包んだ。
「……あずにゃん、電話長いよ」
「もう、そんな簡単に拗ねないで下さいよ」
唯先輩と付き合いだしてわかったことがある。唯先輩って意外にもヤキモチ焼きさん。私といっしょだ。
そんな二人だから、多分もう離れられないだろう。
離れる気なんて、さらさらないけど。
「もうそろそろ、日付変わるね」
「そうですね」
2月13日も後数分で終わり、2月14日がくる。
2月14日。バレンタインデイ。届けたい気持ちを届ける日。
私の中の唯先輩に届けたい気持ちは、一年経った今も変わらなくて、むしろ大きくなって。
これからも毎年、大好きなこの人に、この気持ちを送り続けたいと心から思う。
この想いよ、君に届けと願う。
時計の短針と長針が12を差す。
私と唯先輩は、顔を見合わせて、笑った。
「「ハッピーバレンタインっ!」」
一週間遅れのバレンタインSS。唯梓にハッピーバレンタイン!
あ、最後の場面は一応、大学生になった唯の家に梓がお泊りしてるという感じです。
途中に出てくる『漫画』は、このSSのタイトルにもあります、椎名軽穂先生の『君に届け』。百合厨の私が男女の恋愛話にここまで悶えさせられるとは思ってませんでしたw 素晴らしい作品ですっ!
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