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SS きみにとどけ ~梓の場合~ (1)

2011.02.21 *Mon*
※唯梓・ちょっぴり純→憂
※去年のバレンタインSS「きみにとどけ」の梓サイドのお話。というわけで、設定がアニメと違います。
※梓視点




『きみにとどけ ~梓の場合~』

バレンタインデイにチョコを贈る習慣が日本にあるのは製菓会社の陰謀によるものだ、という話を聞いたことがある。
何だか夢も希望もない感じで、ちょっと寂しい。
そんな背景とか、成立過程なんかはどうでもいいじゃないか。今現在、バレンタインデイがチョコレートを意中の相手にプレゼントする、女の子にとっての聖戦の日であることに変わりはないのだから。
……聖戦なんて、ちょっと大げさかな。でも、気持ちはそれぐらい張り切っている。
2月14日、早朝。
私は目覚めるとすぐに一階の台所へと降りていき、冷蔵庫の中を確認する。
一つは友達同士で交換するためのチョコレートクッキー。こっちは問題さそうだ。
最も、気になるのはもう一つの方。頑張って綺麗に形を整えた、ハート型の甘い甘いミルクチョコレート。
想い人に渡す、本命チョコ。
うん、我ながら上出来だ。冷蔵庫からそっと取り出して、ラッピングの準備に取り掛かる。
ああ、こんなにドキドキするバレンタインデイを迎えたのは人生で初めてだ。
それでも、決めたんだ。もう、時間はあまり残されていない。今動かなきゃ、いつ動く。
ラッピング作業をしながら、私は心の中でそっと呟く。

『この想いが、あの人に、唯先輩に届きますように』

  ◇

と、まぁ、私の頭の中は「唯先輩に本命チョコを渡すんだ!」ということでいっぱいだったので。

「これ、本命チョコなの。受け取ってくれる?」

まさか自分が本命チョコを頂くようなことになるなど、露も思いもしなかったのだ。
朝、下駄箱を開けるとそこに手紙があって。「放課後屋上に来て下さい」なんて書いてあって。行ってみたら、チョコレートを差しだされると共に告白された。
何てベタな展開だ。
相手は、全然知らない先輩だった。
でも、向こうはライブの演奏を見て一目惚れした、と、卒業間近なので思いきって告白したのだ、と。
そう言ってもらえるのは嬉しい。褒めてもらって、好きだと言ってくれることには素直に感謝したい。
でも、私が欲しい、本気の『好き』はあなたからの好きではないんです。申し訳ない事だけど。
だから、私はちゃんと断った。
好きな人がいるんです、と。あなたの気持ちには答えられません、と。
そうしたらその人は「そっかぁ、駄目か」と笑った。でも、その目には涙が溜まっていて、私はやっぱりどうしようもなく申し訳なくなった。でも、本当に「どうしよう」もない。
私は唯先輩が好きなんだから。しかも、今日告白するって、想いを伝えるって決めてるんだから。
チョコレートは「せっかく本気で作ったんだから、もらってくれると嬉しい」と言われたので、もらった。せめてもの償いにと思って。
そんなの、自分を許すための言い訳でしかないけど。

私は、もらったチョコレートの包みを胸に音楽室までの廊下を歩きながら、考える。

あの人は、どれぐらい本気だったんだろうか。どれぐらい本気で私を『好き』だったんだろうか。
私にとってあの人は話したこともなければ、見たことすらない。さっきが初対面で、関係と言える関係はなく、全くの赤の他人だ。
しかし、向こうにとっての私はそうではなかった、のだろうか。
それとも結構軽い気持ちだったのか。今頃、友人に「中野さんにコクってみたけど、振られちゃった~」なんて笑顔で話してるかもしれない。
でも、私の前で見せたあの泣き笑いには、そんな軽さはなかったようにも思う。
戯言か、本気か。
どっちなのかを確かめる術を、私は持ち合わせていない。それは構わないのだけど。

軽音部の部室である音楽室へと上がる階段まで辿り着いた。
一歩一歩、踏みしめるように階段を上がりながら、さらに考える。

唯先輩はいつも私に「大好き」だなんて言ってくる。べたべたと過剰なスキンシップをしてくる。
おかげさまで、私の体はすっかり唯先輩中毒だ。そんなこと恥ずかしいから誰にも言わないけど。
唯先輩の方はどうなのか、わからない。普通に考えれば女の子が女の子を好きになるなんておかしなことだし、唯先輩のそれはただのスキンシップという意味しかもたず、それ以上も以下もないと考えるのが妥当かもしれない。
戯言なのか、本気なのか。
これまた、どちらなのか私には判別がつかない。そして、こっちに関してはどうでもよくない。

音楽室の扉の前に私は立つ。先輩達はまだこの時間は来ていないだろうか。

ただ、結局他人の心なんてわかりっこないのだ。
だったら、訊くしかないだろう。言葉にしてもらうしかないだろう。
それがたった一つの冴えたやり方ってやつだ。

(何にせよ、私をここまで本気にさせて責任はとってもらいますからねっ)

ふんすっと気合いを入れて、音楽室のドアを勢いよく開く。

「――っと、あ、あれ、唯先輩?」

そこにはすでに唯先輩がいた。
この受験直前期、先輩達は自由登校なので、授業はないのだけど、我らが軽音部の先輩方は放課後になると必ず部室に来る。
ここが落ちつくからとか、ムギ先輩のお菓子を目当てにとか、色々言ってるけど、きっと私が独りにならないようにという先輩達の想いやりなんだと思う。
そうとは言ってくれないから本当の所はわからないけど、でもきっと私のことを心配してくれている。そういう人達だと、私は知っているんだ。

唯先輩は突然入ってきた私に吃驚したようで、中腰のまま顔だけこっちに向けるという変な体勢だ。
そして、その表情が可笑しい。
まず口元をごにょごにょして、はっと何かに気付いたような顔をしてからきりっなんて効果音が聴こえそうな真剣な表情をして、かと思えばまたごにょごにょして。

この奇行に及んでいる人が、私の想い人なんだなぁ。変な人に惚れちゃったもんだ、我ながら。

「……先輩、何、中腰で百面相してるんですか」
「はっ!? 私、変な人になってた!?」
「大丈夫ですよ、元からですって」
「ひどい!」

私は笑って、そのまま唯先輩に近づいていく。どうやら、今は唯先輩しかいないようだ。
これは好機。
ちょうど気合いも入れたところ、後々に廻して結局渡せませんでした、なんてのは御免だから、今のうちに渡してしまおう。
想いを伝えてしまおう。
気持ちを訊いてしまおう。

と、思っていたら、先に唯先輩に口を開かれた。

「え、えっと、あずにゃん。その手に持ってるまるでチョコレートのようなものは何かな?」

ああ、そう言えばもらったチョコレート、ずっと手に持ったままだった。考え事をしながらここまで来たのでしまうのをすっかり忘れていた。

「あ、あ~、これは、その、あ、あはは。実はさっき三年生の方に呼び出されて、もらっちゃって」

チョコレートをもらったという事実が気恥ずかしくて、少しどもりながら私は答える。
そこで、ふっと邪な考えが頭を掠めた。

私が本命チョコをもらったって聞いたら、唯先輩はどんな反応を見せるのだろう。
まず、唯先輩に女の子同士の恋愛というものをどう思うかと訊ける。
そこであからさまに怪訝な顔をされたら、流石に告白も、本命チョコを渡すのも止めよう。断られ、しかも気持ち悪がられるとわかってまで告白するほど私にМの気はない。
それに、ちょっとだけ期待もしてしまうのだ。

もし、唯先輩が嫉妬してくれたらって。

まぁ、それはないか。
「みんな大好き!」を公言して憚らない唯先輩だ。私のことだって憎からず想ってはくれているとは思うけど、だからといって誰かに嫉妬するほど執着はしていないだろう。
だから、これはちょっとした、ただの妄想。

「……本命チョコ、みたいだね」
「本命、らしいです」

私の訊いて欲しいところをピンポイントについてきてくれて、思わず顔が綻ぶ。
これで上手く会話を運べば、訊きたいことも訊けるだろう。

「吃驚しましたよ、朝、下駄箱をみたら手紙が入ってて――」

今日はバレンタインデイ。届けたい気持ちを届ける日。

「何かと思えば、放課後屋上に来てください、なんて書いてあるんですよ――」

そう、あの人はそうだった。私に想いを伝えようとしてくれた。

「私は知らない方だったんですけどね。何でも、ライブの演奏を聞いてくれてて、それで一目惚れだって――」

そして、私もそうだ。唯先輩の事を想って、ありったけの届けたい気持ちを込めて、チョコを作った。
そう思うと、あの人には悪いことをしたと思う反面、身勝手ではあるけど、やっぱり嬉しかったりもする。好きって言われて、悪い気にはならない。
いや、それは私が女の子を好きになれる人間だからだろうか。私が好きって言って、唯先輩も嬉しいって思ってくれるだろうか。
それは、わからない。

「卒業する前に気持ちを伝えておきたかったなんて言われちゃって、って先輩? 話聞いてます?」
「っ! ごめん、聞いてるよ」
「ごめん、聞いてるよって何か矛盾してます」
「あぅ、ごめん……」

うん?
何だか、唯先輩の様子がおかしいように思った。妙に伏し目がちで、どことなく表情が暗い。

「どうしたんですか?」
「う、ううん、どうもしないよ?」

いや、やっぱり変だ。こんなに歯切れの悪い唯先輩なんて、私は見たことがない。
もしかして、私が当たり前のように「本命チョコをもらった」なんて言ったから、ちょっと引いてしまってる? やっぱり、唯先輩は女の子同士の恋愛なんて気持ち悪いと思っているのだろうか。
気持ちが焦る。

「そうですか……。あっ、それでですね。先輩はどう思います?」
「へ、何が?」
「だからですね」

だから、私は話が長引く前に、一番訊きたいことを訊こうと思った。

「もし、私がその人と付き合うって言ったら、先輩はどう思いますか?」

唯先輩の目が、大きく見開かれた。
驚愕。動揺。
唯先輩の心が、そのまま表現されたのだろうと一見してわかる表情。
……不味かったかな。流石に直球過ぎただろうか、と思い私は慌てて取り繕う。

「あ、もしも、の話ですよ? というか、もうことわ――」
「……だ」

だけど、私の言葉は唯先輩の呟きに遮られた。

「え?」

唯先輩が何と言ったのか聴こえなくて、私は問い返す。すると、唯先輩はきっ、と顔をあげて叫ぶように言葉を発した。

「そんなの、絶対にヤダ!!!」

そして鞄を手に取って、逃げるように音楽室から飛び出していってしまったのだ。
何が起こったのか、わからなかった。突然の出来事に、私は開かれたままの扉を茫然と見つめることしかできない。
ただ、混乱した頭で「唯先輩のあんな鬼気迫った表情、初めて見た」とだけ思った。

……あれ? 何で唯先輩はそんな表情を?

一つ、大きく深呼吸をする。それから、ぱんぱんと両頬を掌で打つ。
よし、冷静になろう。
私は今のやり取りを思い出す。
まず、本命チョコをもらったこと、その経緯を話した。もうその時点で唯先輩の様子はおかしかった。
それから、「私がその人と付き合うって言ったらどう思うか?」と訊いてみた。
ここで私は二通りの回答しか想定していなかった。すなわち、「別にいいんじゃない?」という肯定の反応、そして「女の子同士でそんなの……」という否定の反応。
だけど、結果はいきなり飛び出していってしまう、だ。

(う~ん……どちらかと言えば、否定、なのかな)

出ていく直前に「そんなの絶対にヤダ」と唯先輩は言ったような気がする。
つまり、それは「そんなのおかしい。間違ってる」という意味だろうか。
あるいは――

(いや、都合良く考え過ぎだ)

私は頭を振って、脳内に浮かんだある考えを。妄想を掻き消す。
唯先輩が、嫉妬してくれた、という妄想を。
そんなこと、あるはずがない。世の中、そんなにうまくいかないよ。

しかし、どうしたものか。
机の上に目をやれば、そこには筆記用具やノート、参考書が散乱している。唯先輩の物だ。
流石にこれを置いて帰る様なことはしないだろう。ということは、ここで待っていれば唯先輩はきっと戻ってくる。
チョコレートは渡しそびれたけど、まだ帰り道という手がある。というか、当初の予定では帰りに二人きりになってから渡すつもりだったのだし。
だけど。
何だか、それじゃ駄目なんじゃないか、と思った。
唯先輩が何を考えているのか。想っているのか。
訊くのは、今しかないんじゃないか。

まだ頭の中は綺麗に整理できていないけど、私は決意を固める。
そして、唯先輩の後を追って音楽室を出よう、として。

「あ、そうだ」

鞄の中から、青い包みを取り出して、ポケットにしまった。
甘い甘いチョコレート。込めた想いは、果たしてあなたに届くのだろうか。

  ◇

「――って、もう、どこにいるの~……」

意気込んで探しに出たのはいいものの、音楽室で逡巡している間にすっかり唯先輩はどこかに行ってしまっていたので、私は当てもなく校内をさ迷うハメになった。
30分ほど、しかも走って探したもんだから、かなりへばっている。正直しんどい。
先輩の教室、グラウンド、体育館、校門、それから講堂。適当にぱっと思いついたところを探しまわってみたけど、どこにもいない。
学校の壁にかけられている時計をちらっと確認する。もうそろそろ他の先輩達がやってくる時間だ。どうしよう、一端音楽室に戻ってみようか。

(ううん、まだだ)

何だかここで探し出せないと、負けな気がした。何と闘ってるのかは自分でもわからないけど、でも、そんな気がしたんだ。
もう一度、同じルートを回ってみよう。それでもいなかったら、音楽室に戻ろう。
心の中でそう決めると、私は立ち上がる。そして、明日は筋肉痛だな、と思いながらも足を前に進める。

走りながら、ふと思ったことがある。

私は何でこんなに必死なんだろう。

その問いに解答を示すのは容易い。
要は「唯先輩が好きだから」だ。
そうと自分で認めるのは気恥かしいけれど、でも、好きだからこそ、当然必死なんだ。
だけど、今までこんなに何かに必死になったことってあるだろうか、と思えば、それはないと言い切ることができる。
夢中になったものならある。ギターだ。
昔、ギターが楽しいと思いだした頃、それは本当に文字通り夢中になって、学校に行く前も帰ってからもずっとギターを奏でていた。
ギター以上に、音楽以上に私の胸を打つものなんて存在しないとさえ思っていた。
だけど、夢中であることと、必死であることは別のものだ。
私は唯先輩に必死なのだ。
もう、後少しで唯先輩は高校を卒業してしまう。私の目の届かない所に行ってしまう。
そして気がつけば、その隣には知らない誰かがいるかもしれない。
私ではない誰かが唯先輩の隣を歩く。それを私は指を銜えて見ているだけ。
そんなの耐えられない。
恋をして、知ったことがある。それは、自分が思いの外嫉妬深いことだった。唯先輩のギターにまで嫉妬の情を覚えたこともある。
それと、嫉妬深い癖に臆病だということ。だから、こんな唯先輩が卒業する直前までうじうじすることになったのだ。
でも、今日はバレンタインデイ。想いを届ける日。
今日こそ、私は。

「――いた」

もう一度来てみた、先輩の教室。斜陽に照らされ、橙に染まった部屋に唯先輩は居た。
とは言っても、唯先輩は窓の外に目をやっているので、顔は確認できないのだけど。それでも、唯先輩と他人を見間違えることはしない。
やっと見つけられたという安心感からか、どっと疲れが体に押し寄せてきた。私は膝に手を当てて、息を整える。
その時だった。

「最悪だね、私」

唯先輩の声が私の耳に届いた。
それは多分一人ごとなのだろうけど、それでもしっかりと私は聞きとった。
最悪? 

「何が、最悪、なん、ですか」

口から漏れた声は、荒い息交ざりで何だか情けないものだった。
そんな私の声に反応して、唯先輩がこちらを振り向く。

「あず、にゃん」
「もー、いきなり出ってちゃうんですから。学校中探し回りましたよ」

目と目が合う。
そして、私は衝撃を受けた。
そこに居たのはもちろん唯先輩だったのだけど。

その唯先輩は、誰もいない教室で一人泣きそうな顔をしながらチョコレートを食べていた。

意味がわからなかった。一気に頭の中がごちゃごちゃになる。
音楽室を飛び出したときに言った言葉の意味は?
最悪って、何が?
どうして、そんな泣きそうなんですか?

いや、そんなことより。

私ははゆっくりとした足取りで唯先輩の方へと向かう。唯先輩も立ち上がった。その手に、チョコレートを持って。

「ごめんね、あずにゃん。わざわざ探してもらっちゃって。みんなもう来た?」

私は唯先輩の目の前まで辿り着くと立ち止った。私が俯いている分、今、唯先輩がどんな顔をしているのかはわからない。
心がざわめく。一瞬で沸騰したかのように、熱い。どうしようもなく、苛立つ。

ねぇ唯先輩。

数秒間の沈黙の後、私は顔を上げる。戸惑った表情の唯先輩。その目を見据えて、私は言う。

「そのチョコ、誰にもらったんですか!?」
「へ?」

唯先輩は、ぽかんと口を開けたまま固まる。
だけど、すぐに私の言わんとしていることに気づいたらしく、自らが手に持つチョコレートに視線を落とす。

「えっと、これのこと?」
「……そうです」

かなり大きめのチョコレート。唯先輩が食べてしまって半分になっちゃってるから微妙にわかり辛いけど、元の形はハートだろう。
誰が見たって一目でわかりそうなほど、どストレートな本命チョコ。誰かの想いの形。
唯先輩は複雑な表情を浮かべていた。
何で答えてくれないんですか。私、訊きましたよね。誰にもらったのかって。それに何でそんなに泣きそうなのかも、わからない。
非難の気持ちを込めて、私は唯先輩をじぃっと見る。その口元にはチョコレートがついたままだった。
私の視線に気づいたのか、焦るように唯先輩は口を開く。

「こ、これはね、私が自分用に作ったんだ」
「嘘ですね」
「即否定!?」
「唯先輩が、自分用にとはいえどもお菓子を作るとは思えませんし」

というか、そんな「今咄嗟に思いつきました」感ばりばりの言い訳が通ると思ったら大間違いだ。
何で、嘘を吐くんだ。
どうして、言ってくれないんだ。
苛立つ。

「嘘を吐いてまで隠したいんですね。一体、どこのどいつですか。唯先輩にチョコレートを渡して、あまつさえ泣かせる輩は」
「泣いてなんか」
「それも、嘘です」

私はいつもよりもずっと強気な調子で迫る。唯先輩は首をすぼめて小さくなってしまった。
でも、私は執拗に問う。
ずずい、ともう一歩。ほとんど零距離まで私は唯先輩に詰め寄る。

「さぁ、言ってください。唯先輩。誰、誰なんですか!」

だって、気になる。誰が唯先輩に本命チョコレートを渡したのか。私と同じ気持ちの人がいるかもしれないと思うだけで、穏やかではいられない。
だから、私の訊き方は必要以上に棘のあるものになってしまったんだ。
唯先輩の気持ちも考えずに。

「もぅ、あずにゃん、しつこいよ!」




『きみにとどけ ~梓の場合~』(2)

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松中 竜馬

Author:松中 竜馬
百合が大好きなしがない人間。
唯梓は至高。
趣味はスポーツ観戦・麻雀・小説書き。

ブログの内容は二次創作百合小説が中心となります。
なので、こう言うのも何ですが、そういうのが苦手な方は見ないことをおすすめします。

ジャンルはけいおん!がメイン 
カップリングは唯梓

感想、ネタ振り、唯梓への想い等、コメントを頂けると非常に嬉しいです。百合好きな方、唯梓好きな方は色々と語り合いましょう!

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